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⑥女子大卒エンジニアが活躍する社会に

産経ニュース
講義を受ける工学部の学生ら
講義を受ける工学部の学生ら

前回は21世紀の工学教育モデル「人間として生きるための工学」を紹介しました。今回は女子大学での工学部設置の話をします。

日本ではまとめて語られる理学部と工学部であるが、アメリカ国家科学賞最初の受賞者、セオドア・フォン・カルマンは、「理学者はあるがままの世界を研究する。工学者は今までなかった世界を創造する」と区別して述べている。

日本にある76の女子大学のうち理学部を設置しているのは、お茶の水女子大、本学、日本女子大の3大学のみである。令和4年度に本学は、日本の女子大で初の工学部を設置した。なお2年度に武庫川女子大で建築学部が誕生している。

5年度には京都女子大がデータサイエンス学部を、6年度にはお茶の水女子大が共創工学部を、日本女子大が建築デザイン学部を設置予定である。女子大卒のエンジニアが活躍する社会の到来である。

さて、本学工学部の設計方針には特徴が3つある。

1つ目は、専門分野を遅く決めること。入学から2年半は工学一般を広く学んでもらい、「ものが作れること」と「何の役に立つかを常に意識すること」の工学流儀を徹底して鍛える。

2つ目は、自分を知り、他人を知り、社会を知ることの重視。これがあって初めて「人間として生きるための工学」が創造できるからである。

3つ目は、本学で用意できないものは周りから借りるということ。具体的には、電機や機械の工学基礎科目は奈良工業高等専門学校の先生方に教わる。実習ではDMG森精機に場所と講師と最先端マシンを借り、ネーミングライツにより工学部棟を「DMG MORI棟」と命名した。

従来の工学教育では全員が同じルートで山を登ったが、本学の工学部では全員が違うルートで山を登ることになる。何度も自分で決断しながらルートを開拓するのである。

(奈良女子大学学長 今岡春樹)

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