岸田文雄首相は5日、東京電力福島第1原発事故の被災地、福島県葛尾(かつらお)村を訪れ、住民避難が続いている同村の帰還困難区域の一部地域で12日に避難指示を解除すると住民に伝えた。帰還困難区域における住民の居住再開につながる解除は初めて。
首相は同村の復興交流施設を視察し、住民らに今回の解除決定を説明。「将来的には、必ず帰還困難区域の全ての避難指示解除を成し遂げたい」と語った。
政府は帰還困難区域の中に、早期の住民帰還を実現すべく除染やインフラ整備を進める特定復興再生拠点区域(復興拠点)を設定。復興拠点のうち、同村野行(のゆき)地区にある0・95平方キロについて、除染で放射線量が下がったことなどを踏まえ、避難指示解除を今月3日に決定した。