岸信夫防衛相は5日、北朝鮮が同日、3カ所から少なくとも6発の弾道ミサイルを発射したと発表した。6発以外にも発射した可能性があり、6発の中には少なくとも1発の変則軌道ミサイルが含まれているという。防衛省幹部によると、北朝鮮が3カ所以上から同時発射したのは初めて。岸氏は防衛省で記者団に「飽和攻撃などに必要な連続発射能力の向上といった狙いがある可能性がある」と述べた。
防衛省によると、北朝鮮は5日午前9時6分から41分の間に、北朝鮮西岸、東岸、内陸部の3カ所から弾道ミサイル6発を発射。最高高度は約50~100キロで、飛距離は約300~400キロだった。いずれも北朝鮮東岸の沿岸部と日本海に落下し、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側だった。日本の船舶、航空機の被害は確認されていないという。
北朝鮮のミサイル発射は今年に入り巡航ミサイルも含めると17回目。政府は北京の大使館ルートで北朝鮮側に抗議した。岸氏は記者団に「わが国、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて許すことはできない」と非難した。その上で「反撃能力も含めてあらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的な強化に努めていく」と強調した。