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落語家・桂宮治(3) 人生が劇的に変わった今年の元日

産経ニュース
落語家の桂宮治さん
落語家の桂宮治さん

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《今年元日の発表まで、笑点メンバー抜擢(ばってき)を口止めされていた。自宅に番組宣伝の密着取材が入ることもあり、妻の明日香さん(47)にだけは打ち明けることにした》


子供はともかく、かみさんには言わないとおかしなことになっちゃう。プロデューサーに「信用できるなら」と言われたので、「僕より口が堅いので大丈夫です」と即答しました。日本テレビ本社ビルを出た後、周りに誰もいないのを確認して、すぐにかみさんに電話しました。

「冗談みたいな本当の話なんだけど、『笑点メンバーになりませんか』って本気で言われた」と告げると、「そう、よかったね。見ててくれたんだね。おめでとう」と普通のテンションで言われました。うちのかみさんは、私に感情をあまり見せないんです。僕が浮かれそうなときは落ち着かせてくれて、落ち込んだときは上げてくれる。

その夜、家に帰っても、子供たちに言えないからお祝いもなく普段通り。かみさんには目配せで「よかったね」と伝えてもらいました。子供たちが遠くにいるときに「ちゃっちゃかちゃかちゃか、ちゃっちゃ」と小さい声で口ずさむと、「やめなさい」とかみさん。気がつくと、口ずさんでいるんですよね。


《家族は明日香さんのほかに、長女の和奏(わかな)さん(12)、次女の莉咲(りさき)さん(9)、長男の克利(かつとし)君(6)がいる。休日には、一緒に遊園地や映画館に出かける仲良し家族だ》


自分が笑点メンバーになることを、発表前に子供に言うという考えはなかったですね。言いたい欲求があったら、我慢せずに言っちゃうのが子供でしょう。それを伝えることは子供にかわいそうかなと。万が一ばれたときに、「お前が言うからいけないんじゃないか」という話になる。自分が背負っている十字架を子供にも背負わせることになってしまうと思いました。


《今年元日。自宅には密着取材のクルーが入っている。一家で何げなく笑点を見ていると、番組内で自分がメンバーになることが発表された》


普段は仕事で家にいないから、笑点を一緒に見ることはないけど、この日は密着が来ていたので、チャンネルを合わせました。

「パパが笑点メンバーになった。パパ、映った」と長男。長女は「毎週出るの」と尋ね、何カ月間も子供たちに隠していたことに「パパ、黙ってられるんだ」と感心していました。いつもなんでもしゃべってしまっていたからでしょう。

みんながアッと驚くようなことはありませんでした。「笑点」というお化け番組のすごさが、子供たちにはまだ分からないんですね。


《番組で「新メンバーは桂宮治」と発表された瞬間から、携帯電話が鳴りやまなくなった。最初の着信は、落語家の笑福亭鶴瓶だった》


「よかったなぁ、おめでとう。人生変わるでぇ」と。鶴瓶師匠は真打ち昇進のときも、ネットニュースに出た瞬間に電話をくれました。本当にありがたいです。

その後、電話だけでなく、ライン、メール、ダイレクトメッセージが何百と来ました。携帯電話から煙が出て壊れないかな、というくらい。おかげさまで、ありがたい電話をたくさんいただきながら、年始を迎えることができました。

「笑点メンバーになった」というニュースが伝わると、こんなに多くの人が連絡をくれるんだと驚かされました。それくらい大変なことなんだと。令和4年元日は、僕の人生が最も劇的に変わった日になりました。(聞き手 池田証志)

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