小林繁伝

「ONは互いに尊敬」…2人の関係は不変 虎番疾風録其の四(60)

産経ニュース
相撲を取る若き日の王(右)と長嶋=昭和49年、東京都大田区の多摩川グラウンド
相撲を取る若き日の王(右)と長嶋=昭和49年、東京都大田区の多摩川グラウンド

長嶋監督が就任した頃から球界関係者の間では、盟友・王との関係が「ギクシャクしているのでは?」という疑惑の声が起こった。これまで「横」のつながりだったのが監督―選手という「縦」の関係になったからだ。

昭和49年オフ、長嶋監督は組閣に当たり、王に選手兼任での「打撃コーチ」就任を要請した。だが、王は「もし、ボクがそのポストを引き受けて、新監督に迷惑がかかるようなことがあってはいけない」と断った。一部の人たちはそれを王の「協力拒否」と受け取ったのだ。

そんな声に評論家、牧野茂は「長嶋と王の2人に限って、衝突したり反目するようなことは断じてない」と断言した。

「ONは互いに尊敬し合っている。それに王はご両親から中国の教育を受けているので〝長幼の序〟をわきまえている。どんなときでも長嶋には敬語を使い礼節を持って接している。自分が長嶋より成績が良くなっても、この態度はいささかも変わらず、年俸が長嶋より低くとも〝当然〟と思ってきた。それが王なんだ」

入団当初からずっと2人の関係を見てきた牧野の話には説得力があった。

「そんな王を長嶋も心から信頼している。あの打撃コーチの要請もそんな長嶋の心を形にしたもの」

牧野によれば、長嶋も本当に王に選手の打撃を見てもらおう―などとは思っていない。ただ、コーチの肩書が付くことで王には「コーチ料」が入る。せめてこれでも受け取って―という長嶋の気持ちの表れだったという。

「チョウさん、ボクにそんな気をつかわなくていいですよ。それに、チョウさんが選手に言いにくいことはボクが代わってドシドシ言いますから」

これが長嶋監督のコーチ要請に対する王の本当の〝返事〟だった。

「だから長嶋監督は血眼になって〝新外国人選手〟獲得に走ったんだ。そんな仕事は球団に任せればいいのに。王への負担を軽くしてあげなきゃいけない―と、居てもたってもいられなくなったんだろうね」

新しい「ON」の関係である。そんな王が倒れた。

米ベロビーチキャンプから帰国した巨人は、3日間の休息を取り50年3月19日から東京・多摩川で練習を再開した。その初日のことだった。(敬称略)

■小林繁伝61

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