【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は2日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長とホワイトハウスで会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナ情勢や、スウェーデン、フィンランドの北欧2カ国のNATO加盟問題などを協議した。ホワイトハウスによると、両者はサイバー分野を含むNATOの抑止力を強化していくことの重要性を確認した。
会談にはハリス副大統領が同席。ストルテンベルグ氏はサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とも個別に会談した。
北欧2カ国のNATO加盟をめぐっては、トルコが反対の姿勢を崩しておらず、今月末にマドリードで行われるNATO首脳会議に向け、トルコの態度をいかに軟化させるかが焦点となっている。ストルテンベルグ氏はバイデン氏との会談後、記者団に対し、スウェーデン、フィンランド、トルコの高官による協議を近く開催すると明らかにし、「一致して前進できる道を探る」と強調した。
一方、バイデン政権は2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて発動した対露制裁の実効性を高めるため、ロシアやベラルーシの企業など71団体を取り引き制限リストに追加するなどの措置を発表した。また、露外務省のザハロワ報道官や露鉄鋼大手セベルスタリの大株主、アレクセイ・モルダショフ氏とその家族らを新たに制裁対象に追加した。
バイデン政権はウクライナ侵攻を受け、露軍事産業などのサプライチェーン(供給網)を遮断するため、米国由来のハイテク技術や部品の輸出管理を強化。これに対しプーチン露政権は、第三国の企業などを通じて調達継続を図っているとみられている。