北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、6月1日の船体の陸揚げに向けた準備が31日、網走港で進められた。接岸中の作業船から降ろされた後、数百メートル離れた企業の敷地内に大型トレーラーで運ばれる。国土交通省は1日午後、乗客家族に船体を公開する予定。
4月23日に発生した事故では、乗客14人が死亡。依然乗客10人と乗員2人の行方が分かっていない。一斉捜索3日目となる31日は、第1管区海上保安本部(小樽)や海上自衛隊のほか、カズ・ワンが出航した斜里町ウトロを拠点とする観光船や地元漁業者も参加。乗客と乗員とみられる2人の遺体が見つかった北方領土・国後島の周辺海域にも巡視船が入った。
1管は、豊田徳幸船長=行方不明=や運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に対し業務上過失致死容疑で捜査を進め、陸揚げ後も、事故原因の解明に向け、船体の調査を続行する。