北海道・知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)や海上自衛隊などは31日、行方不明者12人の一斉捜索を続けた。この日が3日目で当初の予定では最終日。カズワンが出航した斜里町ウトロの漁師たちも参加し「乗客の家族のためにも何か見つけてあげたい」と意気込んでいた。
29~30日は悪天候が続き、ウトロの漁師たちは捜索に出ることがかなわなかった。31日朝、曇ってはいるものの、波と風が収まり、80人以上が周辺海域へ。参加した男性は「俺たちには漁があるし、これが最後になるかも」と言うと慌ただしく船に乗り込んだ。
船団を見送ったウトロ漁協の深山和彦組合長は「家族が納得できるよう、手がかりを見つけてきてほしい。ただ、広大な海で難しい面がある」と語った。捜索には、ウトロを拠点とする観光船も加わった。