愛知県の大村秀章知事が会長を務める芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会が、名古屋市に未払いの負担金約3380万円を支払うよう求めた訴訟で、請求通り全額の支払いを命じた名古屋地裁判決を不服として、河村たかし市長は30日、控訴したと明らかにした。
記者会見した河村氏は、芸術祭は公共事業ではないとした地裁判決を「暴論だ。明らかに誤っている」と批判。展示内容に「反日プロパガンダ」が含まれていたとした上で「市民の気持ちを無視している。いくら裁判所に命じられても(負担金を)支出することはできない」と強調した。大村氏に対しては「独断独裁で(開催について)一切話し合おうともしなかった」と批判した。
25日の地裁判決は、企画展「表現の不自由展・その後」で展示され激しい抗議を受けた、昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などは「ハラスメントや違法なものだと断定できない」と指摘。その上で、展示したことは負担金を減額変更できる「事情」に当たらないと判断した。