「働く女性にとって一筋の光に」。長崎市原爆被爆対策部長を務めていた男性幹部(死亡)による女性記者への性暴力訴訟で、市に約1975万円の賠償を命じた30日の長崎地裁判決。原告の女性記者は午後、市内で開かれた記者会見で、自身に寄り添い、支えてくれた人への感謝の言葉を何度も口にした。
午後2時に始まった記者会見では、原告側の代理人弁護士らがスライドで判決のポイントを説明した。女性が会場に姿を見せたのは約1時間15分後。前方に用意された席に座り、紙に記したコメントを読み上げた。
平成19年の被害当時は、つらくて呼吸もできず「倒れ込むこともしばしばあった」。支援者らを「どうすればいいのか、できることがもっとあったのではと落ち込ませた」と気遣う場面も。
だが、地裁判決で「暴力の責任は暴力を振るった側にあると明確に示された」。これまでの重荷を肩から下ろし「私たちはよくやった、そうねぎらい合いたい」と呼びかけた。