【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は30日の記者会見で、バチェレ国連人権高等弁務官の新疆(しんきょう)ウイグル自治区視察について、「バチェレ氏は中国の人権発展の道に対する理解を全面的に深め、人民が心安らかに暮らす真実の新疆を身をもって感じた」と述べた。米欧が批判する人権侵害を否定し、強権的な少数民族政策を正当化した。
ブリンケン米国務長官が声明で、バチェレ氏の行動を「中国が制限し、操作しようとした」と指摘したことに対し、趙氏は「バチェレ氏自身も、『中国では監督を受けない多方面にわたる交流を行った』と表明した」と反論。米側に対し「新たな噓をでっちあげている」と非難した。
テロ政策が少数民族ウイグル族への人権侵害につながっていると指摘されることについても、「新疆における各民族の人権の最大の保護となっている」と主張した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は30日付の社説で、米欧の批判に関し「当初、西側諸国は訪中するよう強く要求していたのに、今はバチェレ氏を攻撃している。邪悪で政治的な目的はどんどん露骨になっている」と反発。米欧がバチェレ氏に「圧力を加えている」と批判した。