長崎市原爆被爆対策部長を務めていた男性幹部(死亡)による女性記者への性暴力訴訟で、市に約1975万円の賠償を命じた30日の長崎地裁判決。原告側は閉廷後、地裁前で「長崎市は謝罪を!」と書かれた紙を掲げ、支援者の一人は「涙がこみ上げる」と話した。
原告の弁護団は地裁前で報道陣に「記者の活動に対し、違法な権限行使があったと認められた。社会的意義は大きい」と評価した。 緊張感に包まれた法廷では、天川博義裁判長が主文を読み上げる声が響いた。傍聴席を埋めた原告側の支援者の中には、閉廷後に拍手し、笑みを浮かべる人もいた。
30日までに取材に応じた原告の女性は、一貫して責任を否定した市側の対応について「根深い性差別がある」と主張。再発防止を求めた日弁連の勧告も受け入れず、訴訟に至るまで「場当たり的で不誠実な対応を繰り返した」と訴えていた。