さいたま市立病院(同市緑区)は6月1日、医師や看護師が救急患者の元に駆けつけるための自動車「ドクターカー」1台の運用を始める。事故や病気による救急の患者が発生した際、消防機関の要請で事故現場や患者の自宅などに急行する。現場での早期治療を実現することで、救命率の向上や後遺症の軽減を図る。
市立病院によると、運用を始めるドクターカーは自動体外式除細動器(AED)や超音波診断装置などの医療資機材を備え、医師や看護師ら5人程度が乗り込むことができる。平日の午前8時半から午後5時15分までに受けた要請に対応し、年間200日程度の運用を想定している。
車両の購入費約550万円の一部に充てるため、ふるさと納税の寄付金で自治体の事業を実現させる「ガバメントクラウドファンディング」を活用した。市内外の約80人から計約240万円が集まり、目標としていた100万円を大きく上回った。
市立病院の担当者は「一分一秒でも早く患者の元に駆けつけ、適切な医療を提供する。救命救急医療体制を強化し、地域の基幹病院として質の高い医療を実現する」と話している。
さいたま市内の医療機関でのドクターカーの運用は、さいたま赤十字病院(中央区)、自治医大付属さいたま医療センター(大宮区)に次いで3カ所目となる。(中村智隆)