ラグビートップリーグ(TL)の発展的新組織、リーグワンの初代王者に埼玉ワイルドナイツ(パナソニック)が輝いた。
29日のプレーオフ(PO)決勝は国立競技場で行われ、レギュラーシーズン2位の埼玉が同1位の東京サンゴリアス(サントリー)を4PGだけのノートライに抑え18―12で勝ち、TL最後の王者が、新リーグでも〝連覇〟を果たした。
点差こそ接戦だったが、埼玉の安定した戦いぶりが際立った。埼玉は個々の鋭い突進から前後半に1トライずつあげてリード。東京SGが早い球出しから展開しても、クギを打つように鋭いディフェンスでピタリと止めていく。「穴はたくさん見つかるんだけど、そこを突いてもいつの間にか相手のディフェンス網に吸収されてしまう」(東京・流)
それぞれがチャンスとピンチの意識をしっかりと把握。自分の役割を忠実に果たそうと徹底しているのも強みだろう。
しかし、今季の埼玉は苦しいスタートだった。思いもしないコロナ陽性者が出て、いきなり開幕2試合が不戦敗。ただ、坂手主将はこの危機の中でチームに筋が通ったという。「それからの試合は絶対に負けないとの緊迫感を皆が持った」
元々、選手層は厚い。チーム、日本代表でともにケガをした松田力也の控え、山沢がPO準決勝からSOとして出ているが、少しも見劣りしないパフォーマンス。最後に逆転勝ちを狙って総攻撃をかけた東京SGからボールをジャッカルして防いだのも山沢だった。