中国当局による新疆ウイグル自治区での人権弾圧の実態を示す、数万件もの内部資料が流出し、世界各国で報じられた。日本の衆院では、2月の北京冬季五輪前に、中国の名指しを避けた「骨抜きの決議」が衆院で採択された。参院で今後、人権侵害の事実に踏み込んだ「対中非難決議」を採択できるのか。日本の決意と覚悟が問われている。
◇
「動かぬ証拠が出てきた。中国の人権侵害にもう一歩踏み込み、非難しないと決議をする意味がない」「日本の人権への姿勢が問われる。『参院の良識』を信じて、期待している」
ジャーナリストの有本香氏は27日朝、こう語った。
米非営利団体「共産主義犠牲者記念財団」(VOC)は24日、ウイグルでの人権弾圧に迫る内部資料を公表した。中国共産党幹部の発言記録や、2万人分以上の収容者リスト、収容施設の写真などで、世界の報道機関は数万件の内部資料について検証し、報道した。
この中には、共産党幹部が「逃げる者は射殺せよ」と命じた記録も報じられた。
米国務省のネッド・プライス報道官は24日の記者会見で、「中国の残虐行為を立証する多くの証拠の一つだ」と語った。