山口県阿武町で給付金4630万円を誤って振り込んだ問題は、国税徴収法などを使った取り立てにより約9割の回収にこぎ着けた。ここまで騒ぎになったのは珍しいが、他の自治体でも給付金を誤送金した例は多数ある。直接謝罪や電話、法的措置などあの手この手の回収劇が繰り広げられている。
大阪府寝屋川市では2020年5月、993世帯の2196人に総額2億1960万円の「特別定額給付金」を二重に給付していたことが判明し、広瀬慶輔市長が謝罪した。
他部署から職員を増員した上で、誤って振り込んだ全世帯に電話や職員による訪問を行い、状況説明や返金依頼、謝罪を行った。同市保護課によると、電話での苦情が殺到したほか、返金をためらう人や、「何でそうなるのか」と怒る人もいたという。
今月16日までに過払い分などを含め、全体の98・9%に相当する2億2681万7000円を回収した。分割で返金中の市民も残っているほか、連絡の付かないケースや回収困難なケースについては、裁判所に支払い督促の申し立てを行った。件数は8件に上るという。