東京都は27日、武力攻撃事態などに備える国民保護法に基づき、都営地下鉄や東京メトロの駅舎など計109の地下施設を緊急一時避難施設に指定した。北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返すなど日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、都は地下施設の指定拡大に向け、事業者らとの調整を急ぐ。
今回、緊急一時避難施設に指定したのは、都営地下鉄新宿線や大江戸線などの55駅舎と東京メトロ銀座線や日比谷線などの50駅舎、都が管理する新宿区内の地下道など4施設。これまで小中学校の校舎や自治会館の建物など、地上のコンクリート構造物を指定してきたが、地下鉄の駅舎などを指定するのは初めて。
小池百合子知事は27日の記者会見で、「何をするかわからないという隣国があるならば、(危機管理の)想定を広げていくというリアルな判断だ」と指定の意義を説明した。国内ではすでに仙台市や大阪市、神戸市などが地下鉄の駅舎などを緊急一時避難施設に指定している。