睡眠薬を酒に…卑劣なデートレイプドラッグ

産経ニュース

睡眠薬を使ったとされる準強制性交致傷事件で、東京地裁が27日、被告に有罪を言い渡した。性暴力に使われる薬物などは「デートレイプ(知人間の性暴力)ドラッグ」と呼ばれる。被害者が記憶を失うため、被告が「合意があった」と主張するケースも少なくない。全国の摘発件数は過去10年間で4倍になっており、捜査当局も毛髪鑑定を積極活用するなど、摘発を強化している。

典型的なデートレイプドラッグは、今回の事件で東京地裁が使用を認定した睡眠薬だ。市販の薬局で入手できるものでも作用が強く、特に酒と組み合わせると、突然強烈な眠気に襲われ、一定期間の記憶が欠落する。欠落に乗じて、加害者側が「合意があった」と主張することも少なくない。

多くは経口薬で、相手に秘密裏に服用させやすい。今回の事件で被告は、胃薬と偽って睡眠薬を飲ませた。過去には、居酒屋で相手が席を離れた隙に粉末状にした睡眠薬を酒に混入させた例もある。

警察庁によると、睡眠薬を使った性犯罪の令和2年の摘発件数は全国で60件。平成23年から約4倍に増えている。被害者が泣き寝入りして申告のない場合も多く、「氷山の一角」とみられる。

こうした状況に、捜査当局も対策に乗り出している。覚醒剤などの薬物犯罪に使われることが多かった被害者の毛髪鑑定を活用し、被害から3年以上が経過した被害者の髪から睡眠薬の成分を検出。解決につながった事例もあるという。

デートレイプドラッグを使った犯罪に詳しい旭川医科大の清水恵子教授(法医学)は「普段は酔わない量の酒で記憶が飛んだ場合は睡眠薬を疑うべきだ。捜査機関は、こうした犯罪があることを周知しなくてはならない」と訴えている。(王美慧、松崎翼)

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