3年ぶりに行動制限なく迎えた大型連休10日間(4月29日~5月8日)の、県内の主な温泉地(9カ所)における1日平均宿泊客数の合計が前年同期比29・0%増の1万5009人だったことが県のまとめでわかった。3~5日のピーク時には満室となる温泉地もあるなど、家族連れや少人数での旅行を中心に、旅行需要回復の兆しが見られた。
1日平均の宿泊客数が最も多かったのは、草津温泉で5025人(同23・0%)。次いで水上温泉の3440人(同27・3%)、伊香保温泉の3218人(同43・7%)だった。前年からの増加率では、猿ケ京温泉の同2・3倍が最高だった。
草津温泉観光協会によると、全体的に若い人や子供連れのファミリー層が多く、2~4日には宿の8~9割が満室になった。中には、「突然休みが取れたから来た」という人もいて、宿泊対応に苦慮したという。また、大型連休中は県民の宿泊費補助事業「愛郷ぐんまプロジェクト」が対象外だったため、首都圏からの観光客も多かったという。同観光協会の担当者は「愛郷ぐんまプロジェクトが、6月まで延長になったので期待したい。イベントを少しづつ増やしながら7月以降のPRも頑張っていきたい」と話す。
伊香保温泉では、日帰り客も多く、石段街が渋滞して歩けなくなるくらい、ここ数年にない混雑だったという。渋川伊香保温泉観光協会の関口征治会長は「天気にも恵まれ、にぎやかで有難かった」と話した。
一方、コロナ禍前の令和元年の同期間との比較では、元年の1日当たり平均宿泊客数は3万366人と今年の2倍の水準。本格的な回復とはほど遠い状況といえる。