胃薬と偽って睡眠薬を飲ませて女性に乱暴したなどとして、準強制性交致傷罪に問われた須藤哲司被告(41)の判決公判で27日、東京地裁は「女性をだまして睡眠薬を摂取させた卑劣な犯行」として懲役7年(求刑懲役8年)を言い渡した。
公判で弁護側は「胃薬と間違って睡眠薬を渡した」と主張していたが、安永健次裁判長は「胃薬と睡眠薬の(錠剤が入った)シートは、手で触るだけでも識別できる」と指摘。女性を抵抗できない状態にさせる意図があったとした。
また「記憶がなくなった」とする女性の証言と、記憶の欠落が生じる睡眠薬の効果が一致することなどから、女性が抵抗できない状態だったと認定。被害当日に警察に相談しており、合意があったとする弁護側の主張も退けた。
判決によると、須藤被告は昨年5月、東京都豊島区の自宅マンションで、酒を飲んでいた女性に胃薬と偽り睡眠薬を手渡し服用させ、抵抗できない状態の女性を複数回にわたり乱暴し、2週間のけがをさせた。
女性は被害者参加制度を利用し、公判で「性行為に同意することはあり得ず、絶対に許せない」と意見陳述していた。