建築界のコスモポリタンの仕事 吉阪隆正展 

産経ニュース
吉阪隆正「大学セミナーハウス」の油土模型
吉阪隆正「大学セミナーハウス」の油土模型

建築家、吉阪隆正(1917~80年)は近代建築の巨匠ル・コルビュジエの下で働き、師の著書や作品集を翻訳してモダニズム思想を日本に広めたことで知られる。吉阪という媒介者がいなければ、国立西洋美術館という日本唯一のル・コルビュジエ作品は、存在しなかったかもしれない。

自身も「ヴェネチア・ビエンナーレ日本館」「アテネ・フランセ」などの名建築を手掛け、母校の早稲田大で教鞭(きょうべん)をとるなど多くの後進を育てた。ただ、地球規模で行動した彼の活動は領域横断的で、建築もモダニズムの枠に収まらない。スケールの大きさが関係しているのか、これまで彼の仕事を総覧する機会は乏しかった。東京都現代美術館(江東区)で開催中の「吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる」は、思想や活動を俯瞰(ふかん)できる貴重な企画になっている。

内務官僚だった父の赴任で幼少期をスイスで過ごし、国際的な平和教育を受けた吉阪は、後半生も世界各地を巡って調査を敢行。時には登山家として、文明批評的に人々の暮らしを見つめた。

垣根を越えて社会とつながりながら、個人の主体性をどう確保させるのか。代表作「大学セミナーハウス」(東京都八王子市)の巨大な油土模型を見ると、吉阪の思考が、さまざまに具現化されているのがわかる。都市の人口過密と農村の過疎化、防災への視点など、現代日本の課題を展望する-まさに〝パノラみる〟ような都市計画案にも考えさせられる。6月19日まで、月休。

  1. 名脇役の斎藤洋介さんが死去 69歳、人知れずがんで闘病

  2. きよ彦さん死去…毒舌キャラでタレントとしても人気集めた着物デザイナー

  3. 「SOUL'd OUT」トレンド入りで「再結成?」とネット騒然 「原因はスタバ」真相に大盛り上がり

  4. 値上げしてもよいと思うもの 3位「おむつ」、2位「ビール」、圧倒的1位は?

  5. 25歳・大山亜由美さん死去 がん闘病1年…芸能事務所オスカーと契約、長身美人ゴルファー