北九州市で昨年11月、ストーカー規制法の禁止命令が出ていた元交際相手の女性の元を訪れ、刺殺したとして、殺人などの罪に問われた元会社員、篠田勝治被告(53)=福岡県中間市=に、福岡地裁小倉支部は26日、懲役17年(求刑懲役22年)の判決を言い渡した。
殺意の有無が争点だったが、井野憲司裁判長は判決理由で、凶器の小刀による刺し傷は13カ所で、肺を貫通したものもあったことから「強固な殺意を抱いていた」と認定。「犯行は執拗(しつよう)かつ残忍」とする一方「謝罪と反省の言葉を述べている」とも指摘した。
判決によると、篠田被告は昨年11月1日、恋愛感情が満たされない恨みなどから元交際相手の内田理恵さん=当時(49)=のアパート敷地内に押しかけ、胸などを多数回刺して殺害した。小倉北署は同年10月20日、篠田被告につきまといなどの禁止命令を出していた。