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葛城奈海 戦力たる自衛隊の憲法明記を

産経ニュース
葛城奈海氏
葛城奈海氏

先週、防衛省のオピニオンリーダーの部隊見学で、横須賀に停泊中の護衛艦「いずも」を訪ねた。

基準排水量1万9950トン、哨戒ヘリコプター7機、輸送・救難ヘリ2機を搭載する海上自衛隊最大の護衛艦だ。全長248メートル、幅38メートルの全通甲板は、とにかく「だだっ広い」。平成25年の進水当初から「空母か否か」の議論もかまびすしかったが、数年ぶりに訪れた「いずも」には大きな変化があった。

昨年10月、米海兵隊所属のF35B2機による発着艦検証が行われたのだ。F35Bは短距離離陸・垂直着陸ができる、いわゆるSTOVL(ストブル)機。そのために飛行甲板に固定翼機誘導の黄色いラインを引き、5つあるスポットのうち第4、5番スポットに耐熱加工を施した。検証は無事終了。事実上「空母」への一歩を踏み出した。自衛隊機による発着艦はまだ行われていないが、関係者は「自衛隊機による訓練も早期に実施したい」と意気込みを語った。

ここで思いを致したいのは、戦力不保持が謳(うた)われている憲法9条だ。

翌日、「防人と歩む会」で講演した前統合幕僚長、河野克俊氏によると、海外の軍人との交流の場、特に東南アジアで「自衛隊は戦力ではない」などと言おうものなら、その場が凍り付き、「何をふざけたことを」という空気になるという。河野氏は言う。「戦車や戦闘機、空母のような護衛艦を持つ日本が、戦力を持たないなどというのはどう考えてもおかしい。しかしながら、自衛官はずっと矛盾した憲法による軋轢(あつれき)の矢面に立たされてきた」「自衛隊違憲論も、憲法で言う陸海空戦力に該当しないという合憲論も限界だ」

サンフランシスコ講和条約の発効で日本が主権を回復してから70年。しかし、多数の自国民を北朝鮮に拉致されながら何十年も取り返しにも行けない日本の姿は独立国には程遠い。今般のロシア・ウクライナ戦争で、ある日平和は破られ、殺(さつ)戮(りく)が始まることを世界は目の当たりにした。

戦力不保持で国が守れると思う人は今や皆無であろう。戦力たる自衛隊を憲法に明記することが必要な所以(ゆえん)である。

【プロフィル】葛城奈海

かつらぎ・なみ やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、ジャーナリスト、俳優。昭和45年、東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。近著に『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社)。

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