高知市の社会福祉法人「ファミーユ高知」が運営する障害者支援施設「高知ハビリテーリングセンター」のセンター長だった上田真弓さん(55)が、職員へのパワハラを理由に懲戒解雇とされたのは不当として、法人に地位確認を求めた訴訟の控訴審判決が25日、高松高裁であった。浜口浩裁判長は、パワハラは認められないとして解雇を無効とした一審高知地裁判決(昨年5月)を支持し、法人側の控訴を棄却した。
上田さんは「一生懸命に働いてきたことが(法人側に)全否定された傷は残るが、司法の場で(パワハラがないと)認められたことはうれしい」と話した。
一審判決と同様に浜口裁判長は、法人側が設置した第三者委員会が上田さんによるパワハラがあったと認定したことに関し、客観的な資料に基づく裏付けがなく信用性が低いと判断した。
判決によると、第三者委が平成30年8月にまとめた調査報告書で、遅刻した職員に上田さんが注意した言動などをパワハラと認定し、法人は同9月、上田さんを懲戒解雇とした。