(日本生命セ・パ交流戦、ヤクルト3x-1日本ハム=延長十一回、1回戦、ヤクルト1勝、24日、神宮)何度も、何度も雄たけびをあげた。ヤクルト・田口麗斗投手(26)が延長十回無死満塁から登板。絶体絶命のピンチを無失点で切り抜け、劇的勝利を呼び込んだ。
「いらないことを考えると自分の思った投球ができないので、無になっていきました。皆さんと同じようにドキドキしていました」
〝田口の20球〟として語り継がれるはずだ。まずは清宮を外角高めの直球で空振り三振に斬ると、続く万波との対戦時には自己最速となる151キロの直球を計測。最後は内角のスライダーで遊直に。この打球をジャンプ一番で好捕した長岡のプレーに、大きくグラブをたたいた。
巨人時代の元同僚、宇佐見にはいきなり3ボールとしたが、頭は冷静だった。最後は高めの直球で空振り三振。渾身(こんしん)のガッツポーズを繰り出した左腕に、神宮のスタンドからは万雷の拍手が送られた。
高津監督は「清宮君のところで合わせてくれと言っていた。ノーアウト満塁は想定していなかったけど、よく開き直って全力でいったと思う」と評価。頼れる左腕がブルペンを支える。