岸田文雄首相は24日、訪日中のオーストラリアのアルバニージー首相、インドのモディ首相と相次いで会談し、それぞれ2国間関係を強化していくことを確認した。
首相はアルバニージー氏との会談で「ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがすものだ。インド太平洋で同じようなことを決して起こさせてはならない」と呼びかけた。両首脳は、中国が南太平洋のソロモン諸島と安全保障協力に関する協定を結んだことへの懸念を共有し、米国主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の下で、地域の包摂的な成長を実現するために協力することでも一致した。
首相はまた、23日に新首相に就任したばかりのアルバニージー氏を「アンソニー」とファーストネームで呼び、「個人的な緊密な信頼関係を築いていきたい」とも語った。
一方、モディ氏との会談で首相は日米豪印4カ国(クアッド)について、「法の支配の重要性や力による一方的な現状変更への強い反対のメッセージを発出できたことを大変心強く思う」と語り、インドの積極的な関与に対して謝意を述べた。
両首脳は、同志国間で緊密に連携し「自由で開かれたインド太平洋」の実現への取り組みを一層推進していくことが重要との認識で一致。新型コロナウイルスの感染拡大で延期となっていた航空自衛隊とインド空軍による初の戦闘機訓練の早期実施に向けて調整していくことも確認した。