男性を殺害して左足首を切断し、千葉県印西市の防火貯水槽に遺棄したとして、殺人、死体損壊、死体遺棄などの罪に問われている元暴力団組員の無職、中上忠寿被告(50)の裁判員裁判の初公判が24日、千葉地裁(友重雅裕裁判長)で開かれた。中上被告は、「間違いありません」と起訴内容を認めた。
冒頭陳述で検察側は、中上被告は被害者の運送業、宮内孝介さん=当時(46)=を殺害すれば、宮内さんの口を封じたいと考えている暴力団に貸しをつくることができると思って犯行に及んだと指摘。弁護側は、中上被告は家族の名前を出して脅されており、共犯者の指示で動いたと主張した。事件当日に使用していた覚醒剤の影響もあったと訴えた。
起訴状などによると、中上被告は令和2年10月18日、千葉市花見川区の京葉道路上りの幕張パーキングエリア内で指定暴力団住吉会系組幹部らと共謀して宮内さんを刃物で複数回刺すなどして殺害し、同月21日、遺体の左足首を電動工具で切断した後に防火貯水槽に遺棄したとしている。