「ゆっくり茶番劇」商標登録でドワンゴが権利放棄求め交渉へ

産経ニュース
記者会見をするドワンゴの栗田穣崇専務取締役=23日、東京都中央区
記者会見をするドワンゴの栗田穣崇専務取締役=23日、東京都中央区

動画配信サイトの人気コンテンツの名称を無関係の第三者が商標登録した問題で、KADOKAWA傘下で「ニコニコ動画(ニコ動)」などを手掛けるドワンゴは23日、商標権者に権利の放棄を交渉し、独占防止を目的とした商標登録を出願する方針を示した。商標権者が使用料を求めたところ、インターネット利用者を中心に批判が殺到。自由な創作活動の環境を整えるとして、ドワンゴが事態の収拾に乗り出した形だ。

商標登録されたのは、同人ゲームのキャラクターをもとに作成されたイラストを使った動画コンテンツの名称「ゆっくり茶番劇」。女の子の顔だけのイラストが合成音声で「ゆっくりしていってね」と語りかけるのが定番となっているため「ゆっくり動画」と呼ばれる人気コンテンツの派生形だ。ドワンゴによると、平成20年ごろからゆっくり動画は定着。ニコ動にはゲームのプレイ実況やニュース解説など80万本以上の動画が配信されている。

ゲームの制作者は多くの人に利用してもらうため「フリー素材」として商標を登録していなかったが、無関係のユーチューバーが今月15日、商標権を取得した、とツイッターに投稿。「今後、当該商標をご利用頂く場合はライセンス契約が必要となる場合が御座います」と記し、商標使用許可申請書の提出と年間10万円の使用料を求めた。

批判が殺到したユーチューバーは使用料の徴収を撤回。ユーチューバーが所属する団体は権利の放棄手続きを開始したと公表したが、事態の収拾には至っていない。

ドワンゴは「ゆっくり茶番劇」がニコ動の動画ジャンルの名称などとして使われていることなどから「当事者の立場にある」と主張。ユーチューバーが権利放棄の意向を示したということで、当事者同士の交渉に踏み切る。交渉の結果次第では、商法登録の無効審判請求も行う。一方、悪意の登録を防止する目的で商標を出願する。

ドワンゴの栗田穣崇専務取締役は記者会見で「登録されても一切の権利行使を行わないことを約束する。プラットフォームとして責任がある。信用していただくのが最善手だ」と話す。

ドワンゴは特許庁や商標登録を代理出願した千葉県内の特許事務所などと協議するほか、使用料を請求された場合に備え、相談窓口も設置する。栗田氏は「クリエーターが安心して創作活動を行う環境を守っていく」と述べた。

商標登録をめぐり、無関係の第三者が出願を乱発するケースが後を絶たないのは、特許や商標など知的財産に特有の考え方が背景にある。特許や商標は最初に出願した人に認める「先願主義」をとる。登録にかかる時間を短縮し、権利者の保護を優先する措置だ。

一方、悪意の第三者がコメや果実などの農産品で国内のブランド名を中国で登録し、日本の農家が親しまれた名称で輸出できないなど、問題が国内外で深刻化している。

ドワンゴの栗田氏は「対応にはスピード感が重要。ほかの会社と協議していては無理だった」と明かす。ただ、特定のプラットフォーマーに権利の管理までを任せていいのかという議論も残る。自由な創作活動と本来の権利者の保護、権利の適切な管理など、知的財産の在り方に一石を投じることになりそうだ。(高木克聡)

「ゆっくり茶番劇」第三者が商標登録、ネット炎上で使用料撤回

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