愛知県豊橋市で令和2年、交通誘導をしていた警備員らに乗用車で突っ込み3人を殺傷したとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた無職、青野圭被告(28)=静岡県掛川市=は23日、名古屋地裁岡崎支部(村瀬賢裕裁判長)の裁判員裁判初公判で「殺意はありませんでした。誰かを殺そうと思って暴走行為をしたのではない」と述べ、起訴内容を否認した。
冒頭陳述で検察側は「被告は『直感に従うと良い』という啓発的な動画に傾倒し、交通ルールを無視した高速運転をしようと決意した」と指摘。その上で、現場に警備員らがいることを認識しており、殺意もあったと強調した。
起訴状などによると、2年7月27日、豊橋市の片側2車線の県道で、無差別殺人をしようと時速約130キロまで車を加速させ、中央分離帯の除草作業のため車を誘導していた警備員、夏目喜生さん=当時(46)=らに突っ込んで夏目さんを殺害、除草中の男性2人に重傷を負わせたとしている。