山口県阿武町が誤って振り込んだ給付金4630万円の一部を使用したとして、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された同町の無職、田口翔容疑者(24)。周辺からは真面目な人柄が語られる一方、本人のSNSには「大麻」に関連する用語が点在していた。県警は20日、田口容疑者を送検、引き続き資金の流れを調べる。
誤給付が判明した4月8日、町は田口容疑者宅を訪れて事情を説明した。容疑者は返還の意思を示し、町職員に連れられ銀行に向かったが、入り口前で「やはり今日は手続きしない。後日、公文書を郵送してくれ」と拒否。その日のうちに約67万円が動かされた。
その後も返還交渉ははかどらず、同月21日には「お金は既に動かした。もう戻せない。犯罪になることは分かっている。罪は償う」と開き直った状態だった。
田口容疑者は2020年11月ごろから、町が定住促進のために設けた「空き家バンク制度」を利用して移住。ホームセンターに勤務しながら一人暮らしをしていた。家を貸していた男性は「もの静かだが、愛想は良かった」と人柄を語り、家の周りの草刈りも「しっかりとやってくれていた」と振り返る。