中国に韓国、そしてデンマークにノルウェー…。アジアだけでなく欧州などの映画界で今、〝日本俳優の輸出〟が加速している。3月に開催された大阪アジアン映画祭ではオープニングとクロージング作品でそうそうたる日本俳優が登場し、会場を沸かせた。
オープニングは日中韓合作「柳川」。題名通り福岡県柳川市が舞台だ。中国で暮らす兄(シン・バイチン)と弟(チャン・ルーイー)は柳川へ旅立った女友達のチュアン(ニー・ニー)に会うため日本へ向かう…。
兄弟が泊まる柳川の旅館館主に池松壮亮、兄弟が訪れる飲食店主に中野良子を配役。日中の人気俳優の〝競演〟は見応え十分だ。
中野の中国人気は別格。文化大革命後の1979年、初めて公開された外国映画が日本の「君よ憤怒の河を渉れ」で高倉健と共演した中野は、「中国で知らない者はいない」といわれるほどの人気女優だ。チャン・リュル監督のラヴコールで出演が実現したという。
クロージングはデンマーク人監督、ダニエル・デンシックの新作「MISS OSAKA」=同下。デンマークとノルウェー、日本による異色の合作だ。