滋賀県議、予算を盾に県に不当要求か 食肉取引めぐり

産経ニュース
やり取りが記された面談記録
やり取りが記された面談記録

滋賀県議会最大会派の自民党県議団は3月末、所属していた大野和三郎県議を会派から離脱させる決定をした。大野氏が県幹部に対して食肉の取引に関する要望を会派の総意のように伝え、応じなければ予算案を承認しないと迫ったことを問題視したという。しかし、大野氏の実際の発言内容は公表されず、本人も口を閉ざしたまま。こうした中、県の担当者が記した面談記録から、生々しいやり取りが明らかになった。

大野和三郎県議が県幹部に対して不当要求をしたとされる議会運営委員長室=滋賀県庁
大野和三郎県議が県幹部に対して不当要求をしたとされる議会運営委員長室=滋賀県庁

「これはペケ」

滋賀県畜産課によると、大野氏は、JA全農滋賀県本部が出荷した牛内臓(ホルモン)が、元役員が不祥事を起こした同県長浜市の業者に流れているとして非難。昨年11~12月、三日月大造知事や西川忠雄農政水産部長に複数回にわたって面談を求め、JA全農県本部がこの業者との取引をやめるよう指導することを要請した。

大野和三郎・滋賀県議
大野和三郎・滋賀県議

産経新聞が情報公開制度を利用して入手した面談記録によると、議会運営委員長だった大野氏は昨年11月19日、滋賀県庁の議会運営委員長室に西川部長らを呼び付け、こう発言した。「きちっと年内中にけじめをつけておかなければ農水に係るところの予算、これはペケ。議運のテーマにしないということ。俺は口に出して言ったことはする」

業者との取引をやめさせなければ、JA全農県本部への県の補助金は承認しないとの意味だという。

約1カ月後の12月21日、大野氏は三日月知事に対しても、県はJA全農滋賀県本部に「説明責任を求める必要がある」と主張。三日月知事は「ご指摘は受け止めるが、一方で民と民の契約関係であり、それにはいろんな経緯もある」と慎重な姿勢を見せた。そのうえで、「とはいえ、それらと予算を人質にしたような対応というのは違うのではないか。これらをセットにして言うようなやり方は一方の組織も萎縮する」と、西川部長に対する大野氏の発言を念頭に苦言を呈した。

それでも、大野氏は、JA全農滋賀県本部に説明責任を求めないのであれば、予算案は認められないと重ねて主張。「われわれはわれわれの議会としての考えがある」と述べ、取引先を変更させるための指導を行うよう執拗(しつよう)に迫った。

真相究明の動き

自民党県議団は3月末に開いた非公開の総会で、大野氏を会派から離脱させることを賛成多数で決定した。奥村芳正代表は「会派で協議していないことを総意のごとく説明したことや、予算を人質にするような言動が不適切だった」と決定の理由を説明する。

奥村氏は離脱によって県議団としてのけじめはつけたとの認識を示す一方で、第2会派「チームしが」の今江政彦代表は「大野氏の言動は県政治倫理条例に違反する疑いがあり、放置できない」とし、政治倫理審査会(政倫審)を設置して真相究明を進める構えだ。

県議会の政倫審は平成16年の条例施行以来、一度も開かれていないが、チームしが(14人)と、設置に賛同する意向を示している共産党県議団(4人)を合わせれば、2会派以上、議員定数の3分の1(15人)以上の賛同という設置条件は満たされる。政倫審は各会派1人以上の議員と2人以上の学識経験者で構成され、条例違反と認定されると辞職勧告などの措置を議長に求めることができる。

ただ、政倫審の設置は、新型コロナウイルスへの対応など県政の課題が山積する中で、新たな費用や労力がかかる。予算を盾にした不当要求の疑念に対し、まずは大野氏本人が事情を説明する必要があるが、19日時点で、産経新聞の取材には応じていない。(川西健士郎)

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