原子力規制委員会は18日の定例会合で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画を審査した結果、安全性に問題はないとする「審査書案」を了承した。一般からの意見公募を1カ月実施した後、正式認可する見通し。放出設備の本格工事開始には地元自治体の同意が必要となる。
政府と東電は令和5年春ごろの放出開始を目指し、同年4月中旬に設備を完成させる工程を示している。処理水中の放射性物質トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満となるよう大量の海水で薄め、新設する海底トンネルを通して沖合約1キロで放出する。
東電は3年12月に審査を申請。規制委は計13回の審査会合を開き、処理水を海水で薄める設備の性能や、異常発生時の放出停止方法、地震や津波への対策を確認した。