高齢社会が進むなか、介護者の高齢化や介護負担の増大も課題となっている。ホームセキュリティー最大手のセコムでは、防犯や高齢者見守りで培ったセンサー技術を介護現場の業務効率化に役立てようと取り組んでいる。
グループ会社が運営する介護付き有料老人ホーム「アライブ世田谷中町」(東京都世田谷区)では昨年末から、新しい見守りセンサーの検証試験を行っている。見守り対象者の居室内に設置し、就寝中の呼吸の有無や、転倒などの急な姿勢の変化を把握するもので、セコムが開発した。異常を検知すると職員が持つ端末に通知する。対象者のプライバシーを守りつつ、従来目が届きにくかった居室内の様子を24時間確かめることができる。
センサー情報を分析してケア計画に役立てることもでき、施設側は「センサーが一緒に見守ってくれると安心してケアできる」「利用者にも負担感が少ない」と期待している。
センサーは今年度中にはホームセキュリティーサービスに導入される予定。検証試験を踏まえて今後、介護施設向けのサービスも展開予定だという。同社コーポレート広報部の井踏博明部長は「警備も人から機械に転換させることで一般家庭に普及してきた。経験を生かし、介護もより手厚く効率的なものにしていきたい」としている。
(取材協力 セコム)