がんで闘病中の歌手、葛城ユキ(72)が17日、千葉・成田市で行われたコンサート「夢スター 春・秋」で昨年4月以来、約1年1カ月ぶりのステージに復帰した。
昼・夜2回のステージに車いす姿で上がった葛城は、米女優、ベット・ミドラーの名曲「ローズ」を力強い声で歌い上げた。「この歌を日本語で歌いたかった。どんなことがあっても春はやってくると。やっぱりステージはいいね。歌うために生まれてきたという志を持っているもんですから」とほほ笑んだ。
昨年4月にステージ4の原発性腹膜がんが判明。翌月に入院後、2度の手術を受け、今年4月末に退院したばかり。「コロナの時期で面会者もいませんし、精神的な苦しみと体の痛みと戦うことで逃げ出したかった。皆さんの『待っている』という声が頭から離れず頑張れた」。現在はまだ1曲が精いっぱいで「しんどいですね」と体調を明かしたが、「元の葛城ユキに戻れるように一歩ずつ歩み寄っていきたい。皆様に元気になっていただける歌を歌い続けたい」と今後も同コンサートに出演する。
この日は、3月に脳梗塞で緊急入院した歌手、あべ静江(70)も両公演に出演し、ヒット曲「みずいろの手紙」など2曲を歌った。前日16日にも東京都内で復帰後初ステージに立ったあべは、「歌うことがこんなに幸せなことだとは」と口に。「そうですね」と同意した葛城と、しみじみとうなずきあった。