沖縄のサトウキビ農家の次女として生まれ、沖縄料理に夢をかけるヒロインとそのきょうだいたちの姿を描くNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(NHK総合など)の第27話が17日、放送される。
主人公の比嘉暢子を女優の黒島結菜が演じ、その家族として仲間由紀恵、竜星涼、川口春奈、上白石萌歌が出演。語りをジョン・カビラが務める。タイトルの「ちむどんどん」は、沖縄の言葉で「心がドキドキする」を意味する。
第5週(21~25話)では、沖縄の本土復帰を翌年に控えた1971(昭和46)年、暢子は、東京へ行って西洋料理のコックになるという夢を見つけ、ようやく将来に希望を見出した。しかし、兄、賢秀(竜星)が投資詐欺に引っかかって、960ドルもの大金を失った比嘉家には上京させる余裕がなくなり、暢子は沖縄の内間食品に就職することになった。暢子は、せめて思い出作りのため、春休みに大学進学で上京する親友、前田早苗(高田夏帆)に同行して東京に遊びに行きたいとせがみ、反対する姉の良子(川口)と大げんか。良子は口では厳しいことを言いながらも、勤務先の学校からお金を借り、300ドルを工面。本心では暢子を東京に行かせてやりたいと思っていた。
その翌日、優子は借金の保証人で、暢子の上京に反対していた大叔父の賢吉夫婦(石丸謙二郎、土屋美穂子)を自宅へ呼び、給料を前借りした300ドルで借金の一部を返済すると申し出て、改めて暢子の東京行きを許してほしいと懇願。そんな優子の強い思いを汲んだ賢吉夫婦が「もう300ドルあれば…」とつぶやいたところに共同売店の店主で早苗の父、善一(山路和弘)が賢秀から届いたお金を持って飛び込んできた。家を出た賢秀は上京してプロボクサーになっていて、封筒には60万円と賢秀のデビュー戦KO勝ちを報じた新聞の記事が入っていた。
72年5月15日、沖縄が本土復帰を果たしたその日、暢子は家族に見送られてやんばるから東京へと旅立った。