平成29年に広島市佐伯区の市立中でいじめを受けていた3年生の女子生徒が死亡したのは、学校側が適切な対応を取らなかったからだとして、遺族が市に約5千万円の損害賠償を求めていた訴訟は16日、広島地裁(森実将人裁判長)で和解が成立した。市が遺族に解決金を支払う。
市によると、金額は非公表。和解内容にはいじめ再発防止対策を講じることも盛り込まれた。地裁が4月に和解案を提示していた。
訴状などによると、生徒は日常的に暴言を吐かれるなどしていた。複数の教員が認識していたが、組織的な対応を取らず、いじめ防止の義務に違反していると訴えた。生徒は校舎近くで転落死しているのが見つかり、自宅には遺書のような手紙があった。
松井一実市長は「いじめの早期発見と再発防止に取り組む」とのコメントを出した。