体操のNHK杯は15日、東京体育館で男子を行い、昨夏の東京五輪個人総合を制した橋本大輝(20)=順大=が2連覇を果たした。
橋本は4月の全日本選手権を制した際の持ち点と合わせ、257.793点とした。2位は256.428点で神本雄也(27)=コナミスポーツ。255.995点の土井陵輔(20)=日体大=が3位に続いた。橋本に加え、神本と土井が世界選手権(10~11月、リバプール)の代表に内定した。事前から体調に不安を訴え、難度を下げて臨んだ橋本。最後の鉄棒で2度落下するなどして「とてもふがいない試合に終わってしまって悔しいが、無事連覇できたのはうれしい」と話した。
鉄棒で落下した離れ技は「普段ミスをしない技。予定した構成をできず、リズムが崩れた。練習を大事にしないといけないと感じた。気づきの多い大会だった」と振り返った。
世界選手権へ向けては「ベストを出せるように調整したい。内定した僕らが、これからの大会でスコア上げをし、他の選手に刺激をかけて、最高のシーズンを作っていきたい」と、日本体操界を引っ張る意欲を示した。
神本は「得意種目で、いつもなら1個はミスが出るのに、出さずに我慢をして、全部成功させられた」。2019年以来の代表となる世界選手権へは「準備の時間が少し長くなるので、しっかり準備をして金メダルを取れるように頑張る」とした。
「緊張感より、第1班で回れる楽しみの方が多かった。自分をほめたい」とは土井。全日本選手権前からコツコツと取り組んできた基本練習の成果が出たとし、初めての代表となる世界選手権へ「落ち着いてきれいな演技をできるのが自分の魅力。あまり技を入れようと考えず、スタートラインに立ったと考えて一から見直したい」と浮かれることはなかった。