デジタルに開かれていくジャニーズ その大きな転換点

SankeiBiz

これまで徹底した「アンチデジタル」の姿勢をとってきたジャニーズ事務所。しかし21世紀以降、その経営戦略に変化が生じている。この連載では、稀代のエンターテインメント企業であるジャニーズが「インターネット」というメディアにどう向き合ってきたのかを中心に、ここ数年の変遷を分析していく。

ジャニーズ事務所本社
ジャニーズ事務所本社

もう少し、ジャニーズ事務所におけるデジタル・プラットフォーム対応の経緯を、嵐の2018~2020年の活動を中心に概観しておきたい。

エンターテインメントの分野においてはこの時期、すでにスマートフォン/PCでコンテンツを受容することが一般的になっている。前述したように、ジャニーズ事務所が提供する芸能は、ファン以外の人たちにとって、「コンサート」や「舞台」といった、その本領であるステージでのパフォーマンスに触れるのがむつかしい状態であることが長かった。

「国民的アイドル」であった嵐も、『Japonism』や『Scene ~君と僕の見ている風景』といったコンサートの素晴らしさによって、そのタレント/アーティストとしての価値を評価されてた訳では必ずしもないだろう。誰でも鑑賞が可能なデジタル・プラットフォームにジャニーズの芸能が開かれてゆくことは、彼らを日本の芸能史上にきちんと位置付けるために、つまり、ジャニーズ・ファン以外にもその魅力を具体的に伝えるための、大きな転換点になるのでは、と筆者は思っている。

という訳で、ネットにUPされている嵐の「Untitled」と「ARAFES2012」コンサートを、ファンの方以外にもぜひ見て欲しいと思う。また、Netflexで「オリジナル・ドキュメンタリー」として制作された、嵐のドキュメント「ARASHI’s Diary -Voyage-」も、機会があれば合わせてご鑑賞願いたい。ここに記録されているのは、アイドルの姿というよりはむしろ、2000年代初頭にビッグ・プロジェクトを立ち上げ、大成功させ、それとともに成長してきたチームが、その活動をどのように無事に収束させるか、という難題に挑んだ、ほとんど「プロジェクトX」ばりの軌跡なのである。

「ARASHI’s Diary -Voyage-」に驚かされる点はいくつもあるが、まず第一は、民放でもBSでもNHKでもなくNetflixと組んだことである。「休止」という選択をきっかけに、むしろ全世界に自分たちの表現を開いてゆくぞ、という攻めの姿勢で、彼らは世界190カ国配信を選んだのだった。

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