宮城、福島両県で震度6強を観測した3月16日の地震による影響で一部区間を減速し運転、臨時ダイヤでの運行が続いていた東北新幹線が、発生から2カ月近くたった13日、通常ダイヤに戻った。利用客の多くから喜びの声が上がった。(石崎慶一、芹沢伸生)
東北新幹線は、全線で運転を再開した4月14日以降も郡山~一ノ関間の一部で徐行運転。特に揺れが激しかった福島~仙台間で減速区間が多かった。減速に伴い東京~仙台間で約30分、東京~盛岡間では約1時間通常より長くかかり、運転本数も8~9割程度にとどまっていた。
JR東日本によると、通常ダイヤに戻った後も、宮城県白石市の脱線現場付近などでは減速を行うが、ダイヤに影響はないという。この日、3月に震度6強を観測、高架橋などが損傷し運転再開後も徐行運転が続いていた福島県国見町の高架上の線路を、東北新幹線の列車は猛スピードで駆け抜けていた。
通常ダイヤに戻った13日、仙台駅を訪れた利用客からは歓迎の声が聞かれた。
東京方面に出張するという宮城県名取市の会社員、菅家幸次さん(47)は「(臨時ダイヤより)所要時間が30分ぐらい短くなるので、ビジネスマンとして、その時間を有効に使える」と話した。
福島市内の会社に通勤している仙台市内の20代の男性は「(臨時ダイヤより)移動時間が約20分短くなり、その分、自宅での睡眠時間に回せるのでありがたい」と語った。
下り新幹線で仙台駅の次の古川駅まで行くという東京都町田市の会社員、山口英昭さん(54)は運行本数が元に戻ることについて、「仕事でこちらに来る機会が多いが、在来線との乗り継ぎの面でも選択肢が広がり、移動が楽になる」と歓迎した。
県内の観光のために新幹線で訪れた埼玉県越谷市の大学生、小野寺俊介さん(21)は「3月20日頃に仙台に来る予定だったが、きょうに延期になった。脱線のニュース映像を見ると、復旧まで、かなり(時間が)かかると思ったが、約2カ月で通常ダイヤに戻るとは早かった」と感心した表情だった。