知床、昨年事故の報告書公表 違反見逃し、検査に疑義

産経ニュース
「知床遊覧船」の桂田精一社長
「知床遊覧船」の桂田精一社長

北海道・知床半島沖の観光船「KAZU I(カズ・ワン)」の沈没事故で、国土交通省は13日、運航会社「知床遊覧船」が昨年起こした2件の事故を受け、北海道運輸局に提出した改善報告書を公表した。報告書では「運航管理者への定時連絡を確実に実施する」としていたが順守されず、安全管理規程に違反する運航を続けていた可能性がある。国交省は「事業者に対する監査の在り方をわれわれ自身も反省し、見直していく」としている。

同社は昨年5、6月に浮遊物との接触や座礁事故を起こし、国交省が特別監査を実施。同社は同7月に改善報告書を提出した。報告書では運航管理者の桂田精一社長(58)と常に連絡が取れる状態を維持し、事故発生時に必要な措置を講じられる体制を確立することになっていた。

しかし、今回の事故当時、管理者の桂田社長は事務所に不在。通信手段とした船長の携帯電話も航路上ではほぼ圏外だった。

杜撰(ずさん)だったのは運航会社の安全管理だけではなかった。国の船舶検査では同社の申告をうのみにし、安全管理規程違反を見逃していた。検査担当者間の情報共有もおざなりだった。国の監査・検査体制の実効性に疑義が生じたかたちだ。

同社が北海道運輸局に提出した改善報告書。観光船カズ・ワンの運航記録簿には不自然な数字が並ぶ。入出港の波高(はこう)が令和3年7月10日~27日、毎日「0・5メートル」と記録。風速や天候もほぼ同様だった。

国交省は「ある人に聞いたら『0・5メートルではなく、0~5メートルなのではないか』ということだった」と説明する。しかし、50センチの波と5メートルの波では状況に大きな差があり、同社に確認すべき事項だった。

同省海事局幹部は「記入した本人に直接確認したい」と語るが、記録簿をつけたカズ・ワンの船長は行方不明。「きちんとチェックしていない疑いがあるのは認識している」とした。

通信手段の確認も「口頭」(国交省)のみ。事業者の申告任せだった。規程では業務用無線を使うことになっていたが、同社は業務での使用が禁じられているアマチュア無線を使用。その無線用アンテナも破損し、衛星電話も故障していたことが判明している。

船長は事故3日前の4月20日、船舶安全法に基づく船舶検査を受けた際、携帯電話でも「つながる」として、衛星携帯電話からの変更を申し出ていた。

しかし、携帯電話は航路上の大半が圏外。海上保安庁への救助要請は、乗客が持っていた別の会社の携帯電話から発信されていた。

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