ヤクルトは12日、中日8回戦(神宮)に3―1で勝利。連敗を2で止め、首位・広島に0.5ゲーム差に迫った。山田哲人内野手(29)が一回に適時打、五回に犠飛を放つなど1安打2打点、2盗塁と主軸としての役割を果たした。主将となり、自らの〝性格〟を変えた男が前夜まで2戦連続零封負けを喫していた打線を呼び起した。13日からの首位攻防3連戦(マツダ)で再び、奪首する。
緑の雨がっぱを着て傘を揺らすファンへ向け、ナインが深々と頭を下げた。左袖にキャプテンマークを付ける山田は右手で帽子を外し、左右に振って破顔一笑。ゼロ行進が続いた神宮の戦いに終止符を打ち、首位に迫った。
「バッティングカウント(2―0)だったので甘い球は振っていこうと思いました。追加点になって良かったです」
1―0の一回無死二塁から左前へ適時打を放った山田は安堵(あんど)のコメントを残した。10、11日と本拠地で2試合連続の零封負け。打線全体に重苦しい雰囲気が漂ったが、早々に打破した。一回先頭の塩見が中前打で出塁すると、続く山崎の適時二塁打で3試合ぶり、19イニングぶりの得点。攻撃の手を緩めず、続く山田もファーストストライクを捉えた。
7年契約を結んだ昨季、志願して主将に就任した。周りを巻き込んで、チームを強くする。そのためには今まで以上の結果を残し、背中で引っ張っていかないといけない。その思いから〝性格〟まで変えた。