米で中絶の是非めぐる対立激化 支持派の過激化懸念

産経ニュース
9日、米ワシントン郊外にあるアリート最高裁判事宅の前でデモを行う中絶支持派(大内清撮影)
9日、米ワシントン郊外にあるアリート最高裁判事宅の前でデモを行う中絶支持派(大内清撮影)

【ワシントン=大内清】米連邦最高裁の判事多数が人工妊娠中絶を合憲とした判断を覆すことに賛成する意見書の草稿が流出した問題で、リベラル派のデモが各地で起きている。中絶が非合法化される州が続出すると反発しているためで、中絶問題が11月の中間選挙の重要争点に急浮上。中絶の権利を擁護する民主党のバイデン政権は、その一方で支持層の過激化リスクにも直面している。

ワシントン近郊の住宅街で9日、数十人の中絶支持派が「権利を奪うな」と声を上げた。目の前には、流出した草稿を執筆した保守派のアリート判事の自宅がある。警備の警官らの横で、急進左派とみられる黒ずくめの若者数人が「裁判所を解体しろ」と叫んだ。

米国では長年、キリスト教福音派や保守系のカトリック信徒などが中絶禁止を求め、中絶支援団体を襲撃するなどしてきた。

ここへきて中絶賛成派による抗議が活発化しているのは今月2日、1973年の「ロー対ウェード」と呼ばれる中絶の合憲性を認めた判断を覆し、各州の判断に委ねるとする多数派意見書の草稿の存在が報じられたためだ。最高裁判事9人のうちアリート氏ら保守派5人が賛成とされるが、最高裁は草稿流出を認めた上で「結論は出ていない」と釈明する事態となった。最終判断は6月末にも言い渡される。

判断が覆された場合、共和党系が知事を務める州で中絶関連の規制が強化され、これらの州の居住者が他州での中絶手術を強いられる事態が想定される。

こうした中、中西部ウィスコンシン州では8日、中絶反対派団体の事務所に火炎瓶が投げ込まれる事件が起きた。サキ大統領報道官は9日、デモの権利を強く支持する一方、「暴力や脅迫、略奪は決して認められない」と強調した。

草稿の流出元は特定されていないが「合憲判断の無効化に反対するリベラル派が世論喚起を図った」とする説と、「無効化に賛同した判事が翻意しにくくなるよう保守派がリークした」とする2つの見方がある。アリート氏宅の前では草稿の内容を支持する保守派のデモも起きている。

バイデン大統領はカトリック信徒だが中絶の権利を擁護する立場だ。ピュー・リサーチ・センターの調査では米国民の約6割が中絶の権利を支持しており、判断が覆された場合、中間選挙で民主党に有利に働くとの見方が強い。

一方、この問題で中絶支持派の暴力事件などが頻発すれば、保守派を支持基盤とする共和党にとり格好の攻撃材料となる。バイデン政権は司法への介入を避けつつ、急進左派を含む民主党支持層の過激化を防ぐ必要に迫られている。

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