2024年放送のNHK大河ドラマが、平安時代の「源氏物語」の作者、紫式部の人生を描く「光る君へ」に決定し、女優、吉高由里子(33)の主演と合わせて11日、東京・渋谷の同局で発表された。会見の席上、脚本担当の大石静氏(70)は「セックス&バイオレンスを描きたい」と大胆発言。男女の愛憎と権力闘争が軸になりそうで、吉高も「ちゃんとやりますよ!」と笑顔で呼応した。
2008年の「篤姫」以来2度目の大河で、主役をゲットした吉高。NHKの大作では14年度の朝ドラ「花子とアン」のヒロインで作家、村岡花子を演じて以来となる。
「3月末にオファーされたときはびっくりしました。願ってもいないことだし、また作家の役とは…」と驚きを隠さない。役柄名は「まひろ」となるが、「紫式部は生没年も分からない謎めいたイメージ。これから勉強したい」と来年夏の撮入を心待ちにする。
大河63作目の「光る君へ」の光る君は、1000年以上読み継がれる恋愛長編「源氏物語」の主人公、光源氏の呼び名。そのモデルの1人で平安時代の最高権力者となる藤原道長との生涯の恋や、別の男性と結婚し娘を抱え未亡人となった主人公の奮闘が描かれる。
脚本はオリジナルで「まだ1行も書いていない」という大石氏は、06年の「功名が辻」以来2度目の大河担当。吉高とは過去にドラマで一度、仕事をしたことがあり「控えめかと思えば奔放。いろんな色を出せる」と絶賛。制作サイドに強く推薦したことを明かした。
男女の心理を描いてピカイチの大石氏は「紫式部の道長への愛と憎しみと執着を驚くようなセックス&バイオレンスとして描きたい」と強調。大石氏といえば、不倫ラブシーンを大胆に入れた11年の同局「セカンドバージン」も有名。吉高は「血肉をむさぼり食うような物語かと不安もありますが…」と苦笑しつつ、報道陣から覚悟のほどを聞かれると「私も30代なんで、ちゃんとやりますよ! 繊細な恋愛模様もあると思います」と笑顔で受け流した。
制作統括の内田ゆきチーフ・プロデューサー(49)は、相手役の藤原道長について「配役はまだです。おっとりした性格ながら、権力をつかんで成長する姿を描きたい」とコメント。みやびな世界の裏側のドロドロとした男女の愛憎に加え、男同士の権力闘争も見どころとなりそうだ。