静岡県熱海市の大規模土石流に関する市議会百条委員会で12日に証人喚問された、崩落した盛り土の土地の現旧所有者への質疑要旨は次の通り。
■現所有者
--平成23年の土地購入時、盛り土が前所有者の届け出通りの施工でないことを知っていたか
「施工されている事実を知らなかった」
--購入後に土砂搬入をしたり承諾したりは
「搬入したことはないし、頼まれたこともない」
--熱海市から盛り土の危険性を指導されたか
「具体的に本件についてはなかったと思う」
--なぜ防災工事をしなかったか
「盛り土を何かしなければならないという認識がなかった。やったことは一つ、敷地に木を植えただけ。あとはあまり分からない。恥ずかしながら崩落現場には行ったことがない」
--所有者としてどのような安全管理をしてきたか
「安全管理の必要性があったのかなかったのかという記憶もあまりない」
--あなたの土地が崩落し多数の人が亡くなった。責任は誰にあると考えるか
「お亡くなりになった方にはお悔やみを申し上げたい。私がはっきりさせるのは法律的にも現実的にも難しいところがある」
■旧所有者
--売買の際の説明は
「私から売りたいと言ったのではなく、現所有者からぜひ買いたいと(仲介人から)話が来た。この土地に対する内容などは(仲介人が)説明している」
--条例に基づく指導にどう対応したか
「記憶がありません」 --土砂崩壊の危険性は十分認識できたと思うが
「この土地はもともと安定していて、(行政の)是正指導も終了しているので、危険はあり得ない。(土石流までの)10年間の安定が証明している」
--是正終了とは
「仲介者が役所で打ち合わせし、完了届が取れる状態と確認した。構造的安全性は図られている」
--県は、届け出書類の土砂量は到底あの場所には入らないとみているが
「行政はあらゆる届け出に対して適正か判断して許可することが職務。検証せずに許可したとなれば、(行政の)責任問題だ。会社としてはいい迷惑」
--土砂搬入業者は参考人として、あなたから「奥にもっと土砂を入れてくれと指示された」と証言した
「私は記憶がない」