健康カフェ

(224)足の血管病は全身の可能性

産経ニュース

80代前半の女性が足の痛みを訴えて受診しました。半年ほど前から左足首から先が赤くなっていて痛みが取れないというのです。以前は痛みが歩いたときだけだったのが、最近は安静時にも感じるそうです。足首から先は赤というよりは紫に近く、触れると冷たくなっています。通常、足の血圧は腕より高いのですが、左足首の血圧は測定できず、右足首の血圧もかなり低くなっていました。血液検査を行ったところ糖尿病はないのですが、LDL(悪玉)コレステロール値が高くなっていました。以前はかなり多く喫煙し、今もやめられないとのことです。足の血管はおそらく治療が必要で、全身の血管を調べる必要があるとお話しし、循環器科へ紹介しました。禁煙すべきことも伝えました。

検査の結果、左足の動脈は太腿(ふともも)の真ん中あたりで詰まっており、細々とした血管だけで、その先の血流を保っている状態でした。右足の動脈もかなり細くなっていました。また、脳に酸素や栄養分を送る左内頸(けい)動脈がかなり狭くなっていることも判明しました。冠動脈にも狭窄(きょうさく)がありましたが、治療を要するほど高度なものではありませんでした。

女性患者さんの症状は、動脈硬化により足の血流が悪くなってしまったために起こったもので、末梢(まっしょう)動脈疾患(または閉塞(へいそく)性動脈硬化症)と呼ばれています。喫煙はその原因の最たるものといえますが、ほかにも糖尿病や高血圧、脂質異常症も動脈硬化を早めます。足の動脈が細くなってくると、歩いたときに下肢に痛みやしびれが出て、少し休むとよくなるという症状が出るようになります。ただ、半数以上の人は症状が出ないこともわかっています。

たかが足の血管と思うかもしれませんが、末梢動脈疾患を持つ人の死亡率は高くなります。末梢動脈疾患を持つ人の約半数に冠動脈疾患が合併すると報告されており、冠動脈疾患や脳血管障害を起こすことが寿命を縮める大きな要因と考えられます。そのため末梢動脈疾患があれば心臓や頸部、頭蓋内などの血管も調べます。

この女性患者さんは、まず左下肢の動脈のバイパス手術を受け、その後に左内頸動脈の狭くなっているところをステントで押し広げる治療を受けました。術後経過は良好で、左足に違和感は残っているものの、肌の色も冷たさも改善し、普通に歩けるようになりました。禁煙にも成功したそうです。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

  1. 竹内結子さんの急死、精神科医らの見解は 「精神的な行き詰まり」「衝動的な可能性も」

  2. 上島竜兵さん死去 自宅で家族が異常に気づき…

  3. ロシア軍に内部混乱か 「終末の日の飛行機」観閲中止の背景 「戦争宣言」踏みとどまるプーチン氏 「空軍内部の反発やボイコットの可能性も」世良氏

  4. 女優・階戸瑠李さん急死にネットも涙…「半沢直樹」で印象的な演技「本当に残念」「これから…と期待していたので…」

  5. 上島竜兵さん、志村けんさん逝去後に呟くようになった「寂しさ」と家計を支えた妻・広川ひかるとの夫婦愛