「熱海市が対応と」盛り土で静岡県元担当者

産経ニュース
熱海市議会の百条委員会=11日、同市役所
熱海市議会の百条委員会=11日、同市役所

静岡県熱海市伊豆山地区の大規模土石流をめぐる熱海市議会の調査特別委員会(百条委員会)は11日、起点となった盛り土の造成時の市と県の担当職員らを参考人として呼び、業者側への対応経緯をただした。造成面積が知事の許可が必要な「1ヘクタール」超だったかどうかをめぐり、県担当者が「1ヘクタールを超えているとは認識しておらず、対応の主体は市と思っていた」と主張したのに対し、市担当者は「県は消極的だった」と批判。見解の相違が浮き彫りになった。

「対応する主体は市で、(造成面積の確認も)市が実施すると思っていた」。元県職員は参考人招致で、熱海市が平成21年ごろ、面積が1ヘクタール以上になる可能性があるとして県側に、知事許可が必要な森林法による指導を求めた当時を振り返った。

市は当初、1ヘクタール未満は市での対応となる県の土砂採取規制の条例を根拠に、当時所有者だった神奈川県小田原市の不動産管理会社側に繰り返し指導。だが造成面積を「約1・2ヘクタール」とする図面が提出されたことから当時の熱海市職員は、県条例よりも規制が厳しい、森林法による指導を県側に繰り返し訴えたという。

ところが元県職員はこの日、約1・2ヘクタールの図面について「正式な文書ではなく、信憑性(しんぴょうせい)に欠けると判断した」「1ヘクタールを超えるとは認識していなかったので、(県は)主体的に対応できなかった」と述べた。

また別の県の元担当者は、1ヘクタールを超えても森林法による指導は難しい、との見解を示した。小田原市の業者側は複数年にわたって少しずつ造成し最終的に1ヘクタールを超える、いわば法の網をかいくぐるような手法だったとし「一連の造成行為に一体性があるのか、誰が造成したか。法を適用するには確たる証拠、客観的に証明できなければ動けない」と明かした。

大規模土石流の一因には「県と市の連携不足」があったと断じた県第三者委員会の中間報告の指摘が、参考人招致を通じて図らずも表面化した形。百条委で当時の県担当者に質問した市議は、こう声を荒らげた。

「すべての責任を市に押し付けている。なんのために県は存在しているのか」

一方、この日は、証人喚問が初めて行われたが、呼ばれた建材業者は、所有する廃材置き場を小田原市の業者側に使わせたことは認めたものの、盛り土への関与は否定した。

証人喚問は12日も行われ、小田原市の業者の元幹部や現土地所有者らを呼ぶ。

  1. 竹内結子さんの急死、精神科医らの見解は 「精神的な行き詰まり」「衝動的な可能性も」

  2. ロシア軍に内部混乱か 「終末の日の飛行機」観閲中止の背景 「戦争宣言」踏みとどまるプーチン氏 「空軍内部の反発やボイコットの可能性も」世良氏

  3. 値上げしてもよいと思うもの 3位「おむつ」、2位「ビール」、圧倒的1位は?

  4. 上島竜兵さん死去 自宅で家族が異常に気づき…

  5. 【許さない 未解決事件のいま】(3)ポツンと一軒家の惨劇 私的懸賞で解決願う長男 茨城高齢夫婦殺害