待望の国産フルBEV(バッテリー電気自動車)の誕生である。日産「アリア」。近い将来のEV化路線を発表し、「リーフ」をデビューさせた日産が、強力なウェポン(武器)として開発した。全長は4565ミリ、全幅1850ミリ。数値にするとそれほど大きくは感じないのだが、実際に目の前にするとその堂々たる体躯に圧倒される。車両重量は1920キロ。搭載されるパワーユニットには余裕があり、航続可能距離はこれまでで最長の470キロ(WLTCモード)に達した。
国産初の「長距離BEVクルーザー」
リーフの航続可能距離は322キロ。バッテリー容量を増強した「リーフe+」が458キロ。それよりわずかに足を長くしたのだが、急速充電の効率を高めたことで、たとえば高速道路のサービスエリアなどでの30分充電での補充量が増えたという。国産初の「長距離BEVクルーザー」と呼びたくなる。
もっとも、今回デビューした「B6(2WD)」は、アリア軍団の先鋒である。バッテリー容量は66kWh。最高出力160kWのモーターを搭載。航続可能距離は470キロだが、次鋒、中堅、大将が控えている。
4WDの「B6 e-4ORCE」は66kWhで最高出力250kWを発揮。ハイパワーである。だが航続可能距離は430キロに下がる。さらに大容量の91kWhのバッテリーを搭載する「B9(2WD)」は最高出力179kW、航続可能距離はなんと610キロに達するのだ。
その4WD仕様たる「B9 e-4ORCE」はさらに強力な290kWの出力を誇る。だが航続可能距離は580キロに留まる。というように、次なる刺客が控えているのである。グレード追加は夏頃を予定しているという。まずはベーシックな「B6(2WD)」でイメージ的な訴求を語ろうというのが日産の思惑である。