主張

韓国新大統領 対日改善策を明確に示せ

産経ニュース
就任式で出席者に手を振る韓国の尹錫悦新大統領=10日、ソウル(聯合=共同)
就任式で出席者に手を振る韓国の尹錫悦新大統領=10日、ソウル(聯合=共同)

韓国で新しく尹錫悦大統領が誕生した。5年ぶりの保守政権となる。

北朝鮮に断固として対処する考えを示していた尹氏は就任演説で、核開発の中断を求めた。

同時に尹氏は「実質的な非核化に転じれば、北朝鮮の経済を改善させる大胆な計画を準備し、平和的解決のため、対話の扉を開けておく」とも述べた。

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は7度目の核実験を強行する構えだ。中国は、台湾への政治・軍事的な圧力を強め、ロシアはウクライナ侵略を続けている。いずれも対話だけで何とかなる相手ではなく、圧力も欠かせない。

にもかかわらず、演説で日韓関係や米韓関係への言及がなかったのは残念だ。東アジアの平和と安定に向け、今ほど日米韓の連携が必要なときはない。文在寅前政権下では機能しなかっただけに、尹政権にとっては、日米韓の関係強化が外交上喫緊の課題となる。

それには文政権下で「戦後最悪レベル」にまで落ち込んだ日韓関係の正常化が不可欠だ。尹氏は対日改善策を明確に示すべきだ。

保守系の李明博、朴槿恵両政権は発足当初、未来志向の日韓関係の構築をうたった。だが、支持率が低下するにつれ、対日関係を自らの政権浮揚に利用し、不当な反日に舵(かじ)を切っている。

尹氏は文政権の親北・親中国路線をやめ、日米との安全保障協力を重視する考えを示してきた。だが、国会は革新系野党「共に民主党」が多数派で、政治経験のない尹氏に立ちはだかる。尹氏には空虚な言葉の羅列でなく、行動で示す強い指導力が求められよう。

肝に銘じるべきは、悪化した日韓関係の原因がひとえに韓国側にあることだ。韓国は「国と国との約束を守る」という当たり前のことを実行しなければならない。

林芳正外相と会談した朴振外相候補は「日韓関係のこれ以上の悪化を放置してはならない」との認識を示した。ならば、いわゆる徴用工訴訟で「問題の完全かつ最終的な解決」が明記された日韓基本条約を順守し、日本企業の韓国内資産売却の動きを尹政権の責任でとめなければならない。

慰安婦問題では「最終的かつ不可逆的な解決」を外相会談で確認した7年前の日韓合意を履行することである。朴振氏も「公式合意」と語った。日韓関係の改善はそこが出発点と知るべきだ。

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