ワールドレディスサロンパス杯最終日(8日、茨城・茨城GC西C=6680ヤード、パー72)首位から出た山下美夢有(みゆう、20)=加賀電子=が71で回り、通算12アンダーと伸ばし、ツアー2勝目を挙げた。現地で優勝を見届けた母・有貴さん(46)が喜びを語り、娘のゴルフに対する熱心な姿などを明かした。68で回った青木瀬令奈(29)=フリー=が3打差の2位。昨季賞金女王の稲見萌寧(22)=Rakuten=が、通算6アンダーで3位だった。
生活の中心はいつもゴルフだった。有貴さんが真っ先に思い出すのは、山下が子供の頃に行った伊勢神宮への家族旅行。車に乗り込むと「ママと蘭(中学3年の妹)で観光してきて」と山下。あっけにとられる有貴さんにかまわず、山下は父に練習場に連れていくように頼んだ。「私に内緒でゴルフクラブを車に積んでいて。やられたと思いました」。練習熱心さは、今も変わっていないという。
有貴さんにとっても親孝行の一日となった。両親が共働きのため、山下の練習の送迎は、いつも祖父母が担当。「祖父母がいなかったらゴルフを続けられなかった」。最終日の8日、山下の優勝争いを受け、急遽(きゅうきょ)、弟の勝将さんに連れられ、祖父・彰さん(72)と祖母・和子さん(71)が自宅のある関西から駆け付けた。「きょうは母の日なので、私にとっても親孝行。私、いい子を産みました」。
「美夢有(みゆう)」の名前に込められたのは、「美しい夢が有るように」という両親の思い。母は「名前の通りに夢がかなえられた」と目を潤ませた。(高橋朝香)